建築現場でよく聞く『合板(ごうはん)』とは
2023/2/3
建築現場でよく聞く『合板(ごうはん)』
合板とは
合板とは、丸太を円周方向に回転させながら薄く剥いた単板(ベニヤとも呼びます)を重ねて層になるように複数枚接接着材で貼り合わせて加工したものを指します。
日本では、名古屋の浅野吉次郎という人が、1907年に単板を製造する機械(ベニヤレース)を発明して実用化したことが始まりと言われています。
単板の積層数は、合板の厚さによって3層や5層などと奇数層にするのが一般的です。
合板の特徴
層ごとに単板の繊維の向きと直交するように接着していきます。こうして繊維の向きと直交させることで強度が向上する効果があります。
2016年の合板の供給量は東南アジアからの輸入品が52%と半数を占めていますが国内の針葉樹を使った合板の供給量は年々増えつつあります。
主な特徴としては
・加工が容易である
・伸び縮が少なく耐久性に優れている
・音、振動を吸収してくれる
・熱伝導率が小さい
・調湿効果を持つ
等、木材本来の性質を持つ優秀な建築資材のひとつです。
合板の種類
一言で合板と言っても使う場所などで複数ある種類の合板から用途にあったものを選択します。
合板は日本農林規格(JAS)に定められています。JASに定められた合板の種類は、コンクリート型枠用合板、構造用合板、化粧ばり構造用合板などがあります。
合板の名称 | 特徴 | 標準寸法 |
---|---|---|
普通合板 | 一般的な用途で広く使われる合板。 下記の以外のものを指します。 | 幅:910~1220mm 長さ:1820~2430mm 厚さ:2.3~2.4mm |
コンクリート型枠用合板 | コンクリートを打ち込み、所定の形に成型するための合板。 | 幅:600,900mm 長さ:1800mm 厚さ:12,15mm |
構造用合板1級 | 建築物の構造耐力上主要な部分に使用される合板。曲げ性能や、面内せん断強さが基準以上のもの | 幅:900,1220mm 長さ:1800,3030mm 厚さ:5~30mm以上 |
構造用合板2級 | 上記の強度性能の基準意外の合板。性能が著しく劣るわけでないため1級と同様に使用される。床下地や夜宴下地になどに用いられる | 幅:900~1220mm 長さ:1800~3030mm 厚さ:6~30mm以上 |
化粧ばり構造用合板 | 構造用合板に仕上げ材の単板(化粧単板)を張り付けたもの | 幅:900~1220mm 長さ:1800~3030mm 厚さ:5~30mm以上 |
他にも用途によって特殊な加工をした合板があります。
ワン材を食害する「ヒラタキクイムシ」による被害を防止するために防虫薬剤を処理した「防虫処理合板」や、難燃薬剤で処理し燃え難くした「難燃処理合板」、防炎用薬剤で処理をした「防炎処理合板」などがあげられます。
建物内で使われる主な箇所
・屋根
野地板(のじいた)と呼ばれる事が多く、屋根本体を雨、風から守る大切な役割を持っています。
・壁
同じく壁の下地に使用されることが多いですが最近では合板をそのまま見せてインテリアの一部として考える『合板仕上げ』を希望される人もいます
・床
土台引きと呼ばれる工程の後合板を上から貼り付け床を作っていきます
まとめ
今回は合板についてご紹介をしました。
基本的に下地に使われる事が多い合板ですが、最近ではインテリアの一部として利用する人も増えて来ています。