ポリカーボネートとは?特徴と扱う際の注意点
2022/8/24
ポリカーボネートとは?
ポリカードネート(polycarbonate)とは、熱可塑性樹脂の一種であるポリカーボネート樹脂が原料のプラスチック素材の事を指します。略称で「ポリカ」や「PC]と呼ばれることも多くあります。
工業用に開発された樹脂である「エンジニアリングプラスチック」の一種です。
アクリル樹脂などとともに「有機ガラス」と呼ばれることもあります。
カーポートや屋根の一部、身近な所だとカメラのレンズや車のヘッドライト、高速道路の透光型パネルなど幅広く使用されています。
ポリカーボネートの特徴
耐衝撃性
ポリカーボネートは耐衝撃性に優れており、同じ厚みのガラスの約200倍、アクリルの約30倍の耐衝撃性を持っています。
透明性
また透明性が高いことも大きな特徴で、光線透過率は85〜91%は、樹脂の中でも最も高い透明性を持っており、ガラスと同程度とも言われています。
紫外線や熱に強い
また紫外線にも強く素材自体が-40℃~125℃まで耐えれる事から野外でも多く使用されます。
さらに吸水性も低いため、寸法変化が起こりにくいのも特徴です。
ポリカーボネートとアクリルの違い
似た素材でアクリルと呼ばれるものもありますがそれぞれ下記特徴があります。
加工性の違い
アクリルの方がより加工性に優れています。
曲げたり穴をあけたりと細かな加工しやすいのはアクリルです。
反対にポリカーボネートはアクリルに比べ曲げたり接着したりと加工することにはあまり向いていません。その為、屋根や看板など板状に使う事が一般的です。
耐衝撃性
ポリカーボネートは耐衝撃性に優れておりとても割れにくい特性があります。その強度はプラスチックの中でも飛びぬけておりアクリルの30倍ともいわれています。
燃焼性
ポリカーボネートは自己消化性という万が一着火しても燃え広がらない性質を持っています。
ちなみにアクリルは可燃性。家事などの際は燃えやすいので覚えておきましょう。
屋根やカーポートなど建築に使うのもこの特性が大きなメリットになるからですね。
価格
価格はポリカードネードの方がより優れた機能を持っている分、アクリルよりも高価になります。
ポリカーボネートのデメリットと注意点
優れた特徴をもつポリカーボネートにもいくつかデメリットがあります。
扱う時はこれらの点に注意をしてください。
薬品に弱い
耐久性や衝撃に強いポリカーボネートですが、有機溶剤や界面活性剤、アルカリ性などの薬品には弱く、こうした薬品が付着したまま放置してしまうとひび割れが入ったり、変形などを起こしてしまいます。
傷がつきやすい
表面の硬度は高くないため、ものがぶつかったり、ブラシでこするだけで表面に傷や擦れ等の傷がつきやすいので注意しましよう。キズがついてしまうとせっかくの透明性が薄れて美観も損なわれてしまいます。
反りがでる可能性がある
ポリカーボネートはポリカーボネート樹脂を主成分としていますが、樹脂には反りが起こりやすいという特性があります。サイズの大きなものには反りが起こりやすいため、施工の際には四方や中間部分をしっかりと固定するといいでしょう。
価格は高め
上のアクリルとの比較でふれたように樹脂の中では価格は高めです。
ポリカーボネートのメンテナンス
ポリカーボネートのお手入れ方法
ポリカードネードは表面に汚れがついてそのまま長時間放置しておくと汚れが取れにくくなってしまいます。汚れが付着していたら放置せずに石鹸または1~2%程度で薄めた中性洗剤でふき取って下さい。
三か月に1回程度はクリーニングを行うことで美観を保つことができます。
クリーニングの方法は、下記の手順で行ってください。
- 1.まずは水で表面の汚れや埃などを洗い流す
- 2.石鹸や中性洗剤を染み込ませた布で汚れをふき取る
- 3.汚れが取れない時はイソプロピルアルコールを布に浸み込ませたものでふき取る
- 4.最後にぬるま湯で洗い流して水分をふき取る
ポリカーボネートのリフォーム
ポリカーボネートの寿命は10年程度です。
ひび割れや変形などが発生してくるとそろそろ交換時期ですので、張替えを検討してください。
ツバキHOMEではポリカーボネートを使用した屋根修理の実績もございます。
古くなった屋根の修理など是非ご相談ください。